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競売開札の現場から見えるもの

今日は宇都宮地方裁判所本庁の競売期間入札(5/9~5/16)の開札がありました。

今回の競売では、弊社でも入札した物件がありましたので、開札会場へしげしげと赴いたのですが・・・。

弊社の応札物件は、長年お世話(専任斡旋)させていただいた賃貸アパートです。

差押さえ物件を斡旋するのはお客様に影響があると思い、競売開始決定時から、新規募集を止めていましたので、入居率も低調です。

ただ、長年見てきた物件であること、入居者のことも存じ上げていることもあり、今後無理ない賃料で経営できれば所有してもいいかなぁとの思いから入札額の方も無理のない価格で入札することとしました。 

最近の競売市場は、2極化(ダメなものはどんなに安くても売れません)しているものの、ちょっとよさそうな戸建物件などは、世間の不景気をよそ眼に、ものすごい過熱ぶりです。

現在の競売には、買受可能価額、売却基準価額が設定されています。

売却基準価額とは、従前の最低競売価額のことです。昨今の不景気で、落札率が低下したので、裁判所は売却基準価額より1割安い「買受可能価額」なるもを設定し、この価額以上であれば入札出来るようにしました。

と・こ・ろ・がです。先程触れた「ちょっとよさそうな戸建物件(特に築浅物件)」などは、入札15本以上、落札額は売却基準価額の2倍以上です。

競売は入札前にいろいろと確認できないことがあります。また、重大(深刻)なことが競落後判明しても裁判所は責任を取ってくれません。

時にはいわゆる事故物件もあります。物件のご近所の方に聞いても分からないときがあります。

物件占有者(債務者など)の明渡しや、残留動産の処分に時間を要する場合や、トラブルが発生するリスクもあります。

以上のことから、裁判所は物件をきちんと評価した後に、一律「競売減価」といって通常バッサリ50~60%を減額します。

ということは・・・。売却基準価額の2倍以上で落札する方は、殆ど時価、否、実質それ以上で購入することになるではありませんか!

しかも落札者の大半はいわゆる「買取再販業者」。高値で仕入れたものをさらに修繕費用をかけ、広告費をかけ、エンドユーザーに販売する訳です。信じらせません。

どうやって利益を上げているのか聞いてみたくなります。

弊社のような零細業者は、高値で在庫として抱えてしまうと大変です。銀行借入が絡むと命取りです。

このような過熱ぶりの背景に何があるのか??と考えてみると

①首都圏や他県の落札業者の参入

②エンドユーザーの参入(民事執行法の改正で比較的参入しやすくなった)。これは自用、営業用を問わずです。今時はミセスワタナベが不動産の買取・再販です。コワ。

③競売情報が全国どこでもネットで簡単に見られるようになった。裁判所の広告力に脱帽!!(信頼性抜群ですから)

④以前にもましてクローズド情報の物件の性重要性(情報の希少性・新鮮さ)が増している。業者は新規物件に飢えているのです。 

などの要因があると思われます。

これには弊社も不動産業者として、これらのことから学ぶべきヒントが沢山隠されていると感じています。

例えば、同じ物件を同じ条件で、方や通常の販売、方や競売(的な方法で)で販売したら、どちらが早く売れるでしょうか? 

答えは、アイロニカルですが、そう後者です。 

***************** 

さて、弊社の入札結果ですが、・・・果たして落札は叶いませんでした。

勿論、競売参加は遊びではなく競落するために臨むものです。入札にあたっては、損益計算書などを作成します。時価を読みます。ニーズを見据えます。リスク管理を考えます。 真剣です。

ただし、これであれば、競落が果たせなかった場合でも、いろいろと残るものがあります。これをお客様にフィードバックすることができます。

生の時価を現場で経験することも貴重で、必ずやお客様のお役に立てるはずです。

そんな訳で弊社はこれからも、競売には一定の関わりを持ち続ける所存です。

競売・任売などにご興味のある方は、お気軽にお問い合わせくださいネ。御話し相手になれれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

更新日時 : 2012年05月22日 | この記事へのリンク : 

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