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ここ最近の賃貸管理にまつわる「知っておくべき」トピックス

数年前の「かぼちゃの馬車」をはじめとする、いわゆる「不動産サブリーストラブル」を受けて改変が求められてきた不動産賃貸管理業界。ここにきて関連措置・法案等が具体的に動き出しています。今回は令和3年5・6月に矢継ぎ早にリリースされたトピックスをご紹介いたします。不動産オーナー様にはどれも「知っておくべき」重要な内容です。

1.賃貸住宅管理業者登録申請がスタート

「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)」のうち、国土交通大臣賃貸住宅管理業登録制度の創設と登録事業者の業務に関する義務に係る事項が6月15日施行となりました。サブリース事業者への行為規制に関する事項等については2020年12月15日に先行して施行されており、同法は完全施行となりました。同法に拠りこれまで任意の登録制度に代わる新たな賃貸住宅管理業登録制度が創設され、同日よりオンラインによる登録受付が開始されています。

※登録義務要件とは・・・
管理戸数が200戸以上(居住用のみ。事業用の店舗、事務所等は含みません)であって
②賃貸住宅の居室・共用部分につき、以下の2つ共に業務を受託している管理業者は国土交通省への登録が義務化されました。
清掃・点検等の維持業務
修繕業務
従って、家賃管理(収納業務)だけを受託している場合は、登録義務は生じません

※登録業者への主な規制
①業務管理者(資格者)の設置
②管理受託契約の重要事項説明
③管理受託契約時の書面交付
④丸投げ禁止
⑤分別管理
⑥管理業務の実施状況等の定期的な賃貸人への報告

弊社の管理業務は、登録義務要件未満であり、今のところ登録を見合わせておりますが、いつでも登録できる状態(業務管理者の資格取得など)にしております。

2.国土交通省、事故物件の告知ガイドライン案を発表

国土交通省は5月20日、入居者の死亡事故・事件などがあった住宅、いわゆる「事故住宅」について、告知義務についてのガイドライン案を発表しました。主な具体例は以下のとおりです。
①事件性の高い殺人事件、自殺、火災などに拠る死亡事故は3年間の告知義務が発生。
②病死・老衰等の自然死は告知義務なし。

これまで「事故物件」に関する告知義務を規定したものが無く、不動産会社ごとに判断していましたが、今回、告知の必要性の有無に関して一定の規定を設けることで、事業者ごとの対応の差をなくすことができるようになります。

※ガイドラインの内容は、賃貸借契約の場合と売買契約の場合とで違いがあります。
※事故物件の実際の募集実務としては、告知義務を果たしたうえで、一定期間家賃を減額するなどの対応が必要と思われます。


「(借主が)もしもそれを知っていたら借りなかった」と言われれば、それは「心理的瑕疵(契約不適合)」と言われ続け、不動産業者は(どこまで、いつまで告知しなければならないのか)長年頭を抱えてきました。高齢化社会・独身世帯の増加を受け、今後「孤独死」なども増えると思われ、不動産業者からすると本ガイドラインの発表は待ちわびたものでした。

3.国土交通省、残置物の処理等に関するモデル契約条項(ひな形)を策定(6月7日)

賃借人の死亡後、相続人の有無や所在が分からない場合、契約の解除や残置物の処分が困難になるケースがあり、特に単身高齢者に対して建物を貸すことを躊躇する問題が発生しています。
こうした賃貸人の不安を払拭し、単身高齢者の居住の安定確保を図るため、国交省、法務省は、「死後事務委任契約」の検討を進め、賃借人の死亡後に契約関係及び居室内に残された家財(残置物)を円滑に処理できるよう ①賃貸借契約の解除 ②残置物の処理 に関する委任契約書のひな形を策定しました。
具体的には、単身高齢者(60歳以上の方)を想定し、受任者に対し、賃借人の死亡後に賃貸借契約を解除する代理権や残置物処理の委任できるようにしています。


上記2.と3.については、高齢者の賃貸一人住まいが増加してることを背景として策定されたものだと思います。また、近年は「家賃保証保険」の登場・浸透により、賃貸借契約の際に「連帯保証人」を不要とすることが多くなっていることも、策定の要因になったものと推測されます。実際に3.の「モデル契約条項」は、賃貸借契約において、連帯保証人が付いている場合においては締結(活用)できないことになっています。

地縁・血縁は古き悪しき慣習の代表とされ、保証人制度は毛嫌いされ今に至りましたが、実家や親せきと何十年も音信不通という単身入居者が健康や収入を失ったときどうなるかは簡単に想像できます。家主さんにとってのリスクヘッジは上記2.3.が策定されていることからわかるように、もはや「家賃さえ入ればいい」という「家賃収納」にとどまりません。

このため弊社では、貸主からの指示が無い限り、賃貸借契約に際して必ず家賃保証保険付保と連帯保証人による保証を併用しています。入居者から2重保証だと指摘されることもありますが、家賃保証保険には限度がありますし、借主にも「親族との絆を保持にしておくことは、いろいろな意味で大事ですよ」と説得しご納得いただいております。弊社はこれからもこのスタンスを継続し、貸主・借主共によりよい賃貸借のカタチを追い求めたいと思っております。








 

更新日時 : 2021年08月24日 | この記事へのリンク : 

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