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建物解体時の仲介業者の対応、そここそが大事なポイント

昨今は空き家の増加などを反映してか、土地の売買に際して、建物を解体し更地で引き渡すケースが多くなっています。
大概の仲介業者は売主の依頼で解体工事の見積もりを取って、発注。その後は解体業者に任せきりですが、当社は長年の間、全く業者任せにしておりません解体工事には、土地売買上の多くの重要なポイントが内在します。これを知る仲介業者は、解体を業者任せになどできるはずがないというのが持論です。

1.信頼できる解体業者に依頼する

大事なのは法令を遵守するのはもちろん、発注者の意見を聞く態度があり、又、先を見通せる(リスク回避など)解体業者であることです。
仮に解体業者が不法投棄しても責めを負うのは発注者、つまり売主様になります。工事費の安さだけで解体業者を選ぶのは危険です。

2.解体に先立ち、現場ごとの状況に応じた指示、工程の確認を徹底する

一概に解体といっても現場ごとに状況が異なります。例えば道路や隣地との高低差があって土留めや擁壁が設置されている場合、隣地との間に石塀やフェンスがある場合などは、撤去するか残置するか部分撤去するか。売買契約済なら契約条件のとおりに寸分狂わず施工することが必須ですし、契約前なら買主様に不安を与えなない様にイメージして設えておきます(売却促進の為に大事なことです)。このような項目を事前に整理し、工事業者にしっかりと伝えておくことが後々の為に非常に重要なのです。

3.近隣の方とのコミュニケーションを十分に図る

近隣への対策で先ず重要なのは挨拶です。工事前、十分な期間を設けて訪問し、できるだけ対面の上挨拶をします(工期、業者名、連絡先等を文書でお渡しします)。近隣からの苦情の内容によっては、何日も工事ストップしてしまいます。このリスクは最初の挨拶の仕方でかなり軽減できると考えます。更に大事なのは、解体時に近隣の方との接し方を間違うと、その後の境界協定や相隣関係まで尾を引く最悪の事態を招きかねないということ。これを肝に銘じています。

4.解体現場には足繁く通い、工事業者とのコミュニケーションを十分に取る

工事が始まりますと、当社では殆ど毎日のように現場に顔を出します(長靴を履いて同じ目線で。時には飲み物の差入を携えて。)。解体の各段階を写真に収め記録します。業者も人間ですから、誰かが見ていると一寸でも作業が丁寧になったりします。また、解体工事には売主も知らない様な想定外のことがつきものです。そんな時、我々が現場にいれば即時的確な指示ができますし、普段のコミュニケーションが密であれば、我々がその場にいないときでも、「どのように対処すればよいか」と問い合わせをしてくれます。
工事を業者任せにしてしまうと、仮に問題点があっても誰も知ることができず、業者の勝手な判断・方法で処理されてしまうでしょう。業者も工期や重機レンタル期限があります。最も合理的な方法で工事を進めるのがセオリーであり、後で問題が発覚してもこれを咎めることはできません。結局、売主なり買主の予定外の出費によって改めて是正する羽目になるのです。足繁く通う目的は、このようなことをできるだけ回避する為でもあります。
現地確認で最も重要なのは、工事完了が近づき、重機を引き上げるタイミングです。仕上がりは買主のイメージに大きな影響を与えますので、業者にはできるだけきれいにするようお願いします。(ゴミや大きな石、コンクリート破片などを一緒に拾い集めることが常です)。また、重機引き上げの前に、整地具合や撤去忘れが無いかなど総合的にチェックすることが大事!重機の力は偉大なのです。

5.税制適用等との関連にも目配りする

典型的な例は、「相続した空き家を解体して売却した場合、譲渡所得税の算定において譲渡益から3,000万円を控除できる」という税制特例があります(時限措置、一定の条件を満たす必要あり)。これは本来居住用資産売却(実際に住んでいた住宅を売る場合など)の特例でしたが、急激に増加する空き家の流動化を図るために創設された特例です。なるほど昨今ではよくある土地売却形態であり、必ず押さえておくべき特例といえます。ところで、この特例の申請には解体前・解体中・解体後の写真を添付することになっています。税金に関することは第一義的には売主又は税理士の問題ですが、当社もできる限りお客様に有益な税制の適用をサポートして参ります。解体現場に足繁く通うことは上記特例等の適用においても売主の利益に資するものとなります(「工事は業者任せ」タイプの仲介業者では、写真記録など期待できないのではないかと・・・)。

6.神様を敬う心を持って

古くからの住宅には井戸があったりします。水神様が宿っています。当社では売主の理解を得てできるだけ神官にお祓いをしていただき、解体埋め戻しするようにしています。埋め戻し材料は長年の経験上、砕石(0-40)が良いと思われます(後日の地盤沈下も抑えられます)。又、お稲荷様やなにがしかの祠がある場合、その遷座や(神社等への)お帰りは、神官のお祓いが必須だと思います。長年お守りいただいた神様に感謝し然るべき方法でお戻りいただきます。

7.建物滅失登記の助言も忘れません

建物の登記が残っていると、次の方がその土地に建物を建てても建物登記ができない事態となります。解体が済んだら遅滞なく建物滅失登記を行える手配を致します(時期等について、売主の有益性を考慮しアドバイス申し上げます)。

毎日のように足繁く解体現場に向かう何の為に全ては土地取引が円滑に進むよう願ってのこと。売主・買主の余計な出費負担をさないこと、近隣の方とも軋轢無く新たな建物を気持ちよく着工できることが当社の最終目的です。
長年の間住人を守り、思い出をはぐくみ続けた建物の最後を見届ける役目として・・・というのも少しあります。

***老朽建物の解体、不動産売却に伴う税制など、随時ご相談を承ります。お気軽にご連絡下さい。***

更新日時 : 2020年04月07日 | この記事へのリンク : 

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